釧路短期大学は、建学の精神を「愛と奉仕」としています。「人を愛し人に尽くす」精神は、人類社会にとって必要欠くべからざる普遍的な原理と考えます。
建学の精神「愛と奉仕」
私立の高等教育機関には、その目的や使命を示す「建学の精神」があり、釧路短期大学は、建学の精神を「愛と奉仕」と定め、教育研究活動をすすめています。
「愛と奉仕」:人を愛し人に尽くす
建学の精神「愛と奉仕」とは、「人を愛し人に尽くす」という精神と、その精神に基づく実践を意味し、本学は、この考えを人類社会にとって、必要欠くべからざる普遍的な原理と考えます。
「人を愛する」
この世界に生きる人々の人種、民族、習慣、職業、価値観、文化、宗教、思想、歴史、政治や経済の制度、国のあり方などは大きく、または小さく異なっています。そこには人間としての、現代に生きる人間としての共通性とともに、様々な違いもあります。世界は共通性と多様性が絡み合いながら成り立っています。
「人を愛し」とは、そのような自分や自分たちとの様々な違いについて、見下したり、差別したり、憎んだり、やみくもに否定したり、ましてや破壊したりするのではなく、この世界の住民としてお互いに認め合い尊重し合う、そのような精神を意味します。
ここでいう“違いを認め合い尊重し合う”とは、この世界のすべてを“よきもの”とすることを意味するわけでありません。他者の行為などについて、不当だ、許せないと感じることがあるとしても、相手を見下したり、否定したり、破壊しようとするのではなく、他者の行為の背景や理由にも関心を向け、同時に自らのあり方も見つめて、両者の違いが対立に至らないよう努めることも人を愛する実践の一つです。
「人に尽くす」
人を愛することに基づき、身近な他者、見知らぬ他者などを思いながら、真剣に生き、働き、活動すること、それが「人に尽くす」ことの基礎であり、実践になると考えます。
生きるための収入を得る仕事、金銭的な収入を得ることのない家事やボランティア、地域社会での活動など、人々が行う活動は、何らかの形で身近な、あるいは遠い他者に役立っているからです。逆に、私たちが食べたり、着たり、使ったりするたくさんのものは、近い、または遠い、ときには遠い国の誰かが、ときには苦しい思いをしながら作り、運び、販売し、記録を残したものです。これらに関わったたくさんの人々の働きは、私たちの生活に役立ち、支えてくれています。このように、この世界は人々の役立ち合い、支え合いで成り立っています。私たちは、特別な何かをしなくても、仕事を含む日々の活動でそれを実践しています。
自分の仕事などが見知らぬ誰かの生活を支えることを意識して、真剣に、まっとうに仕事などに取り組むことが、「人に尽くす」ことを意味します。
そのためには、目には見えないこの世界の人々の繋がりを知り、様々な仕事などの役立ちを理解し真剣にまっとうに自分の仕事などを進めるなければなりません。私たちには仕事などをまっとうに進めるための知識・技能・資質と、自分の仕事などの(ときには世界的な)繋がりと役立ちを知るための想像力が求められます。
教育を通じてそれらを有する人材を育てること、それらに資する研究や地域貢献を行うことが釧路短期大学の使命と考えています。