地域と共に
学校法人緑ケ岡学園理事長
釧路短期大学学長
西 塔 正 一
わが緑ケ岡学園は、少子化
の進展にもかかわらず、昨年
より多くの学生、生徒、園児
の皆さんを各所属学校に迎
え、各キャンパス内は、忙し
さと明るくそして活気に溢れ
ている様子を拝見し、学園の
代表者として心から歓迎の喜
びを感じています。
本学園は1964(昭和39
)年に創設し、爾来東北海
道を地盤として時代や地域社
会のニーズに対応しながら、
道東唯一の総合学園として短
期大学、高校、中学、幼稚園、
専門学校を擁して、半世紀を
迎えようとしています。今日
まで存続してこられたのも創
設以来の理事長始め、学園役
員の皆様が建学の精神・教育
理念に基づいた「教育研究」
機関としての使命を教職員の
皆様と一味同心、協働して幾
多の困難と試練に打ち勝って
きたからに他なりません。
先人達に改めて、感謝と敬意
を表したいと思います。
今時代は、国内外に未曾有
な問題が山積みしています。
世界的な不況、国家間・民族
間の対立、貧困・食糧・資源・
環境問題、国内的にも東日本
大地震での大津波、原発事故
による「複合災害」の処理や
復興問題、超高齢社会・人口
減少社会における社会・経済・
生活福祉問題などさらにこの
ような問題状況によって次代
を担う子ども達に地域、文化、
経済、教育上等で「格差」が
拡大してきているのです。機
会均等の阻害状況が生じてき
ているのです。現象的に社会
を覆う閉塞感として意識上に
も生じてきているのです。
そうした時のわが緑ケ岡学
園の役割使命です。前述の時
代状況をすべて即時に打開
する方法などあるはずもあ
りませんが、しかし我々の
ミッションは、人類普遍の原
理「愛と奉仕」の建学の精神
・理念に基づく「教育研究活
動」で将来に向けての人材養
成です。公立学校とは違う教
育理念のもと「緑ケ岡学園
は、入学した学生、生徒を良
き社会人、専門的職業人とし
て育ててくれる」(学園の社
会的評価、信頼の向上)、「卒
業生はこの学園に入学して良
かった、満足した、学んだこ
とが人間的にも専門的職業人
としても色々な意味で糧に
なった」(学生、生徒の実感
としての満足感)と評価され
る教育活動の実践をさらに促
進させねばならないのです。
こうしたとき、従来私学たる
緑ケ岡学園の中心的な課題が
ありました。財政上の問題で
す。しかし、私は短大の学長
として、その解決の道筋を平
成20,21,22,23年度「自己
点検評価報告書」の巻頭言に
以下のことを提言しました。
「やはり私学は盤石の経営、
財務基盤たる下部構造と上部
構造たる優れた教職員達によ
る建学の精神、教育理念に基
づく教学が同時・照応的に確
立させることでなければなら
ない。そしてもちろん、大学
は、学生達が居て存在意味が
あるのであり、学生達のニー
ズをできる限り充足させてこ
そ、私達大学人としての役割
を果たすこととなる。そのた
めに、如何に魅力ある大学に
していくか、入口と出口の重
要性はもちろんであるが、ど
のような人材を養成、形成し
ていくのか(教育課程)、そ
の教育・学修の成果が問われ
ることとなる。」と。続けて
付け加えさせて戴くと「個々
人の教育職員、事務職員の教
育能力、事務管理能力もさる
ことながら、学校として、組
織としての教育・事務管理能
力の質的向上が必須なのであ
る。絶えずPDCAサイクル
で実施していく、まさに釧路
短期大学のエンドレスな目標
なのである」。まさに私学は、
学園全体、教職員一体ので全
員野球をせねばならなく、こ
の「大学」の字句を「学園所
属の各学校」と換言すると各
学校の目的が明晰となると思
います。学校法人緑ケ岡学園
に関係する全ての人々に半世
紀、
50
年を目の前にし、改め
て確認したいと思います。地
域密着、地域共創、地域貢献、
未来共創型学園の確立へ。
やる気を起こさせる
教育の推進を
学校法人緑ケ岡学園 常務理事
林 正 昭
緑ケ岡学園は釧根唯一の私
学として、短期大学、専門学
校、高等学校、中学校の4つ
の学校と幼稚園を経営してお
りますが、学園としては、全
ての学生・生徒・園児の皆さ
んが夢と希望に満ちた光り輝
く未来を力強く切り開いてい
くことができる教育の推進が
何よりも大切だと思ってお
り、教師の皆さんとともに、
これを念頭においた教育を進
めてまいりました。
少子化の中、学園では、ひ
とりでも多くの学生・生徒の
皆さんに入学していただくた
め、各学校それぞれに特色を
持たせた魅力ある学校作りを
進めています。学校が目指す
本来の姿は「子どもたちが通
いたくなる学校」「保護者が
通わせたい学校」「地域が期
待し自慢できる学校」が理想
だと言われていますが、主役
はあくまでも子どもたちです
から、まずは子どもたちが通
いたくなる学校作りが基本で
あり、それが保護者の通わせ
たい学校、地域が期待し自慢
できる学校作りにもつながっ
てくると信じています。
では、どうすれば子どもた
ちが通いたくなる学校を作り
上げていくことができるかと
いうことですが、まずは子ど
もたちに授業が楽しい、学校
に来るのが楽しいと感じさせ
ることであり、授業の中では
自分にもできるという自信を
待たせ、やる気をおこさせる
授業を行うことだと思いま
す。そのためには、子どもた
ちの努力ももちろん必要です
が、教師も常に自分の授業に
対する自分なりの検証と改善
が必要になります。
アメリカのウイリアム・ウ
オード氏は、「平凡な教師は
言って聞かせる。良い教師は
生徒に解るように説明する。
優秀な教師は自らやってみせ
る。しかし、最高の教師は生
徒の心に火をつける」と言っ
ています。これからの学校は、
単に知識を詰め込むだけの教
育ではなく、子どもたちにや
る気を起こさせ、どんなこと
にも自ら進んで取り組むよう
な子どもたちを育てる教育を
展開していくことが求められ
ています。学園としては、こ
れからも常にこのことを心掛
け、学生・生徒からも、保護
者からも、地域からも期待さ
れ、自慢できる学校作りに向
け、教職員が一丸となって取
り組んでまいります