地域社会を支え、創造できる若者を育てたい
短大生活科学科生活科学専攻
生活科学専攻は「地域を知
り、地域を愛し、地域と係わ
ることのできる規律ある人
格」の養成を教育目標のひと
つとして掲げ、地域に直接に
係わる科目を多数開設してい
ます。
「地域を知る」「地域の産業
と企業」
「生涯学習と地域」
「地
域と資料」「地域と環境」な
どの講義科目では、様々な角
度から地域社会の歴史・現実・
課題を知り、地域社会や地域
資源について考える力を身に
つけます。
講義を受けるだけではなく
学生自身が考えて進めていく
演習科目「地域活動T・U・
V」は、一年次から二年次ま
で続く科目であり、本専攻を
特徴づける学びの一つです。
これらの科目では、学生た
ち自身で地域の情報・資料等
を収集し、地域課題や地域資
源を見いだし、地域課題の解
決・地域資源の利用に向けた
企画を作り上げます。
企画には条件があります。
条件の一つは○○すること
が必要だと思います.などと
他者に提案するだけの企画
ではなく、学生たち自身が企
画実行に係わるものであるこ
と、もう一つは学生たちだけ
ではなく地域の団体・企業な
どとの協働企画であることで
す。企画実行に責任を持つと
ともに、年齢も経験も違う地
域の様々な人々と係わりなが
ら企画を立案・実行すること
を求めているのです。
この試みを初めて経験した
学生がこの春に卒業しまし
た。企画案は作成しましたが、
残念なことに実行には至りま
せんでした。しかし、「地域
に貢献できる心構えと提案す
る力を身につけた」「この街
で生まれ育ったけれど、知ら
なかったことをたくさん知る
ことができた」「就職してか
らも地域貢献を考えたい」な
どの感想が出されました。地
域を知る、係わることを通じ
て地域を愛する人材が育ちつ
つあります。
子育てアンケートを実施
短大幼児教育学科 講師 長津 詩織
幼児教育学科では、平成
23
年度に研究報告書『釧路市の
子育てと保育・幼児教育に関する基礎的調査.保護者・保
育者・施設管理者へのアン
ケートから.』を作成しまし
た。これは釧路市と本学との
共同研究として実施された
「保育所の現状と課題に関す
る調査事業」の成果をまとめ
たものです。
保護者へのアンケートは、
釧路市内で乳幼児をもつ約
六千三百世帯の中から無作為
に抽出した四千世帯(
60
%抽
出)を対象に行われました。
また、保育者・施設管理者へ
のアンケートは、釧路市内の
公立・私立保育所および幼稚
園の全園のほか、承諾が得ら
れた認可外保育所にもご協力
いただきました。アンケート
の集計にあたっては5名のア
ンケート調査員を学園(短
大)職員として短期雇用しま
した。
アンケート結果から得られ
たのは、第一に、それぞれの
家庭・就労環境による保護者
のニーズの多様化です。自由
記述に書かれた数多くの要望
の中には、すぐに取り組める
ものもあれば、社会全体の仕組みを変えなければ達成でき
ないものもありました。特に
ニーズの高かった病児・病後
児保育(病気の子どもを保育
すること)の実施について、
「病気の子どもを預かってく
れる施設があればよいが、子
どもが病気の時に休める職場
が増えるほうが理想的」とい
う意見は印象に残っていま
す。
第二に、決して十分とは言
えない環境の中でも保育にや
りがいをもって働く保育者の
実態でした。子どもの成長を
支える仕事に誇りをもちつつ
も、仕事の責任の重さや、多
様化する保護者のニーズに応
えることへの困難を感じてい
る実態もうかがえました。子
育て支援の重要性がますます
高まる現在、保育者が働き続
けられる環境を整えることの
重要性も示されたといえるで
しょう。
事業全体を通して、釧路市
こども保健部保育課スタッフ
からは様々な資料をいただ
き、釧路市の保育・幼児教
育の現状について情報を提供
いただきました。知っている
ようで知らないことが多々あ
り、学生指導にも生かせる貴
重な知見が得られたことも、
今回の成果の一つです。また、
事業の実施に際しては、学園
教職員にも様々な形で支援し
ていただきました。本事業に
ご協力いただいた皆さまに、
この場を借りて感謝申し上げ
ます。
本報告書が釧路市の今後の
保育・幼児教育行政に生かさ
れることを願うと同時に、本
学科が養成校としてできる役
割も検討していく必要がある
と考えています。
地元の食材でおいしいレシピ
短大生活科学科食物栄養専攻
食物栄養専攻では釧路の豊
かな地場食材に着目した取り
組みを各科目やゼミを通して
実践的に学んでいます。その
中から、栄養士免許必修科
目である給食実務校内実習で
の取り組みについて紹介しま
す。
この実習は、2年目の学生
が学内の給食施設で栄養バ
ランスのよい給食を1日に
100食作り、5月末の4日
間限定で学生や教職員に提供
しています。献立作成、大量
調理における作業工程表の作
成、材料の発注、実際の調理
や配膳など、給食実務の全工
程を学生が企画立案し体験的
に学びます。1年次に習得し
た基礎知識や技能を発揮し、
栄養基準を満たした安全でお
いしく喜ばれる給食を目指し
ています。
今年度、献立に盛り込まれ
た釧路の食材や料理は、初日
の「釧路ザンギ」に始まり「エ
ゾ鹿肉の黒酢炒め」、「ときし
らずのちゃんちゃん焼き」、
「阿寒ポークのジャージャー
焼きそば」です。なかでも、
エゾシカ肉を使った料理の提
供は今年で3年目であり、こ
れまでに提供したメニューは
釧路産ほうれん草をふんだん
に使った「エゾシカのほうれ
ん草カレー」、新じゃがいも
を使った「エゾシカのコロッ
ケ」です。エゾシカ肉は低脂
肪でヘルシーなうえに、女性
が不足しがちな鉄分を豊富に
含む魅力的な食材で今注目を
集めています。この長所を生
かし、鉄の吸収を促進するビ
タミンCが豊富な地場食材で
あるほうれん草や、ピーマン、
じゃがいもなどと組み合わせ
ているところもまた、栄養士
を目指す学生たちが強調した
いところです。地場の食材は
「新鮮でおいしい」で終わる
のではなく、その食材の栄養
面や調理上の特性を
知り尽くしたうえで
献立に盛り込み、給食
を通した栄養指導を
展開していくことが
大切です。学生たち
はこれを体験的に学
ぶことができました。
今回の実習で考案
したシカ肉料理は「釧
路産シカ肩肉の黒酢
炒め」に名称を改め、
市内一部のスーパーでシカ肩
肉スライス(冷凍)と学生手
製レシピをセットに販売され
ました。栄養面に優れたおい
しい料理を家庭へ届けること
ができたことも大きな自信に
つながりました。今後も様々
な釧路の食材に触れる機会を
提供し、質の高い栄養士養成
を目指していきます。
親子で絵本を、「でんでん」
短大附属図書館
釧路短大に《絵本とおはな
しの部屋でんでん》がありま
す。《親子ふれあい読書室》
のネライがあり、絵本・紙芝
居・エプロンシアターが用意
されています。親子連れの乳
幼児さんがカーペットの床に
本をひろげて、おかあさんに
読んでもらう、ほほえましい
姿をみうけます。短大にこの
部屋があることは同窓会のお
しらせでもつたえられ、希望
の絵本をえらび、借りること
もできます。
《でんでん》は、乳幼児や
お母さんたちの利用だけでは
ありません。短大で幼稚園教
諭や保育士をめざす学生、図
書館司書をめざすために絵本
の読み聞かせをまなぶ学生
たちの学習の場所でもありま
す。《でんでん》を拠点に児
童サービスのトレーニングを
つづけています。その成果は
市立釧路図書館の《おはなし
マラソン》に参加するだけで
なく、幼稚園・保育園での実
習でも役立つと、好評です。
《絵本とおはなしの部屋で
んでん》は、平成
12
年に少子
化対策特別交付金で開設しま
した。さらに蔵書充実のため、
釧路短期大学後援会から毎年
度、助成金をいただいていま
す。現在、三〇〇〇冊をこえ
る絵本と紙芝居を備え、短期
大学の三階、附属図書館内に
あります。
釧路湿原全国車いすマラソン
大会奉仕活動の取り組みについて
高等学校環境ボランティア部 教諭 今 野 公 一
校訓「愛と奉仕に生きる」
の実践活動として、本校では
「三大奉仕活動」を行ってい
ます。春の「全市一斉清掃奉
仕」、夏の「釧路湿原全国車
いすマラソン大会奉仕活動」、
秋の「全校献血奉仕」です。
今年度の「釧路湿原全国車
いすマラソン大会奉仕活動」は、
去る8月26日に実施され、今
回で27回になります。本校は、
第1回大会から参加させて頂
いており、前身となる釧路短
期大学附属高校時代から取り
組んでいる歴史と伝統ある全
校奉仕活動です。この大会で
は、応援活動と支援活動に全
校生徒が取り組んでいます。
応援活動では、各クラスで
作成した横断幕が競技場内や
沿道を彩ります。また太平洋
太鼓部の演奏がさらに大会を
盛り上げます。前日の開会式
では、クラスごとに作成した
横断幕の上位3クラスが市内
ホテルで釧路市長より表彰を
受けます。コースの沿道では、
生徒が参加選手の名前と応援
メッセージを書いた色とりど
りのカードを掲げ、選手に声
を掛けながら応援をします。
支援活動では、ゴールし
た選手に冷たいおしぼりやス
ポーツドリンクを差し上げた
り、閉会式のセレモニーのお
手伝いをさせて頂いています。
今回の釧路湿原全国車いす
マラソン大会は、あいにくの
天候でスタンドでの応援と
なったものの、応援メッセー
ジを掲げ、小旗を振りながら
中学生・高校生が大きな声で
応援していました。その声援
は選手の方々や大会関係者よ
りお褒めの言葉を頂きまし
た。また、陸上部の生徒や1
年生・2年生の女子生徒が大
会の支援活動に携わり、選手
の方々から「ありがとう」と
声をかけて頂き、笑顔で接し
ていた姿はとても印象的でし
た。
生徒一人一人が大会を盛り
上げ、何よりも頑張る方々を
心から応援しようとする真の
人間性を育む機会として、今
後も応援と支援に取り組んで
いきたいと思います。
内容も豊かに夏期合宿
武修館中学校
中学校3年生の恒例行事で
ある夏季合宿講習会が8月4
日(土).8日(水)に実施
されました。札幌のクラズユ
ニックという予備校に通いな
がら、北海道大学のオープン
キャンパスに参加したり、札
幌資料館で模擬裁判を行いま
した。中高一貫コースの中学
校3年生は進路を考える大切
な時期です。その時期にいつ
もと違う環境で学習や体験を
行うことで視野が広がり、更
に深く進路について考えるこ
とが出来ます。
本校の教育連係校であるク
ラズユニックでは、使用する
テキストも本校用のオリジナ
ルのものを使用し、事前に予
習指導をして、授業に臨み
ます。生徒からは、わかりや
すく楽しい授業だったという
感想が多く、参加して良かっ
たという声が多く聞かれまし
た。
また、北海道大学のオープ
ンキャンパスでは、一人一人
が学科を選び、全国から参加
する高校生と一緒に講義を受
けました。キャンパスの広さ
と少し難しいながらも、探求
心を刺激する内容に大学のイ
メージが大きくふくらんだよ
うです。
そして、裁判員制度の導入
を肌で感じることが出来る模
擬裁判では、一人一人役割を
演じ、本当の裁判さながらの
裁判を体験し、判決について
グループ討議をしました。熱
心に話す中で時間が足りなく
感じる生徒もいました。この
体験を通じて、人を裁くこと
の難しさを改めて考えさせら
れたようでした。
このような内容満載の合宿
でしたが、クラスメイトと5
日間、寝食を共にすることで
クラスの団結力も強まったよ
うです。
武修館中学校では、様々な
特色ある行事がたくさんあり
ます。1年生では2泊3日で
川湯温泉に宿泊研修へ、2年
生では、見学旅行でグアムへ
行きます。『愛と奉仕に生き
る』という校訓のもとボラン
ティアに関わる行事も多くり
ます。市内一斉清掃奉仕活動
や車いすマラソン奉仕活動な
どです。
こういった学校外での体験
を通し、生徒の心身の成長を
促しています。
卒園後も見守る幼稚園
短大附属幼稚園
釧路短期大学附属幼稚園で
は平成
20
年より卒園児の1年
生と2年生を対象にしたお泊
り会を夏休み期間中に実施し
ています。幼稚園を卒園した
らそれで関係が終わってしま
うのではなく、地域環境の一
つとして幼稚園が子どもの育
ちを支える役割を担っていく
為に、卒園後も子ども達の様
子を知っていきたいという考
えのもと行っています。
又、現在の釧路の幼稚園事
情として自宅の近くにある園
に入園させるというだけでは
なく、それぞれ特色のある幼
稚園の中から、我が子に合っ
た園を選んで入園させる傾向
にあります。それによって
様々な地域から園児が集まっ
て来るようになった為、卒園
後に就学する小学校が分散し
てしまい、幼稚園を卒園する
と仲の良かった友達と遊ぶ事
が、なかなか難しいという現
実もあります。そういった事
からも年に一回ではあります
が、卒園児のお泊り会で仲の
良かった友達に再会できる場
を設けることも必要かと考え
ています。
更に、このお泊り会では卒
園した子だけではなく、在園
していたものの年少や年中で
途中転園してしまった子も対
称としていることから、釧路
以外の地域へ移ってしまった
子とも再会することができ、
遠くは関東地方から参加した
子もいました。お泊り会では、
みんなで遊んだり肝試しを楽
しむほか、学校へ行ってから
どのように過ごしているのか
など、子ども達の声を聞かせ
てもらいます。子ども達が就
寝した後には卒園児の親達が
幼稚園に集まって、園長や当
時の担任と学校生活での様子
を話したり、時には育児の悩
み相談も行い子育て支援とし
ての要素も含んだ行事となっ
ています。こうした取り組み
を通して、卒園後も遊びに来
れる場所。そして何かあった
ときには相談できる場所として幼稚園があり続けられるよ
う取り組んでいます。
学生以外の介護勉強会も多数開催
専門学校釧路ケアカレッジ
専門学校とはその職業に必
要とする技術的なことを勉強
する学校。という事で、本校
は単に高校卒業した学生を対
象した学校ではなく、広く「介
護の専門職」を育成するとい
う視点から、これから「介護
福祉士」を目指し施設などで
働いている方や、求職者の方
への講習も積極的に実施して
います。また、「釧路の介護
は釧路で支える」と言う校長
の思いから、市内の高齢者施
設や障がい者施設さんと連携
を図り、国家試験の実技試験
が免除になる「介護技術講習
会」や「国家試験対策講座」、
「認知症実践者研修」などを
実施。6月
30
日から7月1
日には、「リハビリサポート
まこと」さんとの連携で、全
国的に有名な袖山卓也先生
の「笑う介護福祉士の介護道
場」が本校で実施され多くの
方が参加されていました。
10
月にも、本校を会場に「介護
支援専門員」(通称ケアマネー
ジャー)の試験も実施。道東・
釧路の介護を影で支える存在
に。
平成
24
年7月末現在、釧路
市の高齢化率は
26
%。すでに
4分の1以上の方が高齢者と
なった釧路。これからも、高
校卒者から社会人、実際に現
場で働いている方を対象に、
質の高い介護福祉士を一人で
も多く育成し、社会のニーズ、
利用者さんのニーズに応えて
いきたいと思っています。講
習会の様子などは、本校ホー
ムページや本校のブログでも
確認できます。是非一度ご覧
下さい。
ホームページ
http://www.midorigaoka.ac.jp/kcc/
ブログ:
http://kcc01.blog.fc2.
com/